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2011年07月21日更新
                

消防ポンプの構造



■ ポンプ本体
ポンプは、エンジンから機械的エネルギーを受けて水を吸い上げ、その水にエネルギーを与えて  圧力に変え、遠方へ送り出す機械である。消防ポンプには一般にタービンポンプが使用されている。


これから、右の模型を使って説明を進めていきます。

1. タービンポンプの原理
a. 分 類
傘をグルグル回すと、雨水は遠心力で外へ飛び出す。
ポンプは、この遠心力の発生にインペラを利用した遠心ポンプである。

b. 作 用
ポンプ内に水を満たし インペラ(羽根車)を回転させると、遠心力により、中心部と外周部との間に圧力差を生ずる。
水は低圧の中心部より吸い込まれ、インペラ内を流れる間に圧力及び速度が高められて、案内羽根に導かれる。
案内羽根を通過する間に速度エネルギーは徐々に圧力に変換されてケーシングへと流れて行く。


各部品の名前と形状、模型のケーシングカバーをはずした内部の様子。

2. 部品構成

a. ケーシングカバー
ケーシングカバーは水を吸い込み、インペラ(羽根車)の中心部に導くための通路を持つ。
外周部はインペラより出た水の速度エネルギーを圧力に変える案内羽根を備えている。

b. インペラ
水に回転運動を与え、速度エネルギーと圧力エネルギーを効率よく造り出す役割をする。

c. インデューサ
インペラ入り口で発生するキャピテーションを押さえ、水をインペラの内部へ押し込む作用をする。これにより、吸い込み揚程の高い条件での吸水性能を上げることができる。
※ キャピテーション
高速で流れる液体(水など)の中の圧力の低い部分が気化して、非常に短い時間に蒸気のポケットが生まれ、また非常に短時間でつぶれて消滅する現象のこと。
流体機器の性能低下流体機器の振動・騒音特にキャビティが潰れるときはとてもうるさい。     壊食(壊蝕、エロージョン)キャビティ崩壊の際に、瞬間的に非常に高い圧力が発生し、これが流体 機器の表面にへこみや傷をつけます。機器の運転中はずっとこれが繰り返されるので、長時間が経つと機器の表面がボロボロになったり、端が欠けたり、ひどい場合は大きな穴が開いたりします。 これを壊食またはエロージョンと呼びます。

d. ポンプケーシング
案内羽根を通過し分散している水を集合し、かつ、速度エネルギーの残部を圧力に変えて放水弁へ導く役割をする。
これを持つポンプを総称して、渦巻きポンプという。

e. 放水弁
吐出口の先に在り、高い圧力を持った水を外部(ホース)に放出する役割を持つ。
内部にコック部を備え、その開閉により放水量を調整することができる。
また、バルブは逆止弁の構造を備え、放水の一時停止で落水しないようになっている。

※ ボールコック
円球の一部が貫通した弁体を、90度回転させることによって開閉を行うバルブです。球状である弁体の構造から、全開時には流れに対して障害物がないために圧力損失が少なく、遮断時にはそのシール面の大きさにより、高い圧力に耐えられる。